2017. 05. 18 Update !

イマ旬

CIVIC TECHによる地方とTechnologyの融合

地域の人々は「Technology」をどこまで活用しているのか。
地方創生をテクノロジーを活用して実現するには「CIVIC TECH」が必要となる

神田主税
株式会社NTTデータ 技術革新統括本部 技術開発本部
シニアエキスパート 神田主税

イマ旬の注目キーワード
CIVIC TECH

CIVIC TECHとは

CIVIC TECH(シビックテック)とはその市民がテクノロジーを活用して公共サービスなどの地域課題解決を行うことを意味しています。もともとは米国で生まれたこの言葉、スマホが一般化しあらゆるサービスがクラウドで提供されている中で、市民が行政だけでは提供できないサービスを行ったり、テクノロジーも活用しながら、より良い世界の実現に参画する活動を開始しました。

これがNPO「Code for America」につながります。日本でも2013年、東日本大震災の支援活動を契機に「Code for Japan」が設立され、各地域にCode for Aizu、Code for Kanazawaなどブリゲートと呼ばれるコミュニティが形成されています。

日本発のシビックテックサービスの有名な事例としてCode for Kanazawaで実現した「5374アプリ」※1があります。「いつ、どのゴミが収集されているのか?」がひと目で分かるアプリです。またCode for Sapporoが公開した「パパママまっぷ」※2は、地域の有志が保育園情報を追加できる地図サービスです。

NTTデータが提言する技術トレンドレポート「NTT DATA Technology Foresight」※3では情報社会トレンドの中で「個の影響力拡大が社会の変革を促進する」と分析しています。Uber、Airbnbなどのシェアリングベンチャーはプラットフォームを構築し、世界で勢いを増しています。個人が活躍するシビックテックにおいても、ネットワーク化された市民たちは大きな力を持ちます。個人の影響力は小さくても、その波が大きくなり社会により良い変革が起こるはずです。

ただし現実を見ると、ボランティアでシビックテック進める人にとって、いかに継続的に実施できるのかは、行動できるメンバーをどうやって集めるか、などNPOに共通する課題に直面している人が多く存在するのが現状です。また社会課題解決を目指しシビックテックを活用しようとする人にとっては、解決に必要な費用や人材をどうやって集めていくか頭を悩ませている方も多いでしょう。

宮崎県でのアイデアソン・ハッカソン事例

シビックテックやテクノロジーを活用して地域課題を解決する仕組みを目指し、NTTデータでは、宮崎県西諸地方の小林市、えびの市、高原町の3自治体とアイデアソン・ハッカソンを開催しました。※4
これから少子高齢化が進展する日本の社会で地方にある資源を有効に活かすため、西諸地方が取り組む「農家民泊」にITの力を応用する、新しい試みです。

アイデアソン・ハッカソンは東京会場および宮崎会場のそれぞれの地域にてオープンで開催され、西諸地方在住者および出身者、東京で地方創生に興味がある大企業勤務者やプログラマーなど様々な人が集まりました。シビックテックの精神に乗っ取り、個人が集まり、西諸地方の農家民泊の活性化にチーム一丸となって取組むこの試みは、東京と宮崎をつなぐ泥んこバレーの開催や三越伊勢丹での地域活性化フェアなどに貢献することができました。

地方と都心とでは明らかに格差があるのが現状です。シビックテックでサービスを実行するにも地方にはプログラマーの数が少ない、シビックテック自体の浸透が未だ進んでいないなどの課題もあります。こういった課題を解決するためにも都心からテクノロジーを活用して地方をサポートするという方向は有用ではないかと考えます。

※1 ごみなしアプリ

http://5374.jp/

※2 パパママまっぷ

http://www.codeforsapporo.org/papamama/

※4 農家民泊をハックせよ(宮崎・西諸)

https://inforium.nttdata.com/focusedissue/nishimoro-hack.html